日本の仮想通貨問題:ビットコインにかかる税金とは?

作成 Martin Zotta

仮想通貨の登場から月日が経ち、投資ポートフォリオの一部としてビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を保有することに前向きな投資家が増えています。

現在日本に居住し、ビットコインやその他の仮想通貨を保有している投資家にとって問題となるのが、日本における税金の扱いです。投資家の間では、暗号資産から得られる利益の課税方法について誤解があるようで、キャピタルゲイン課税が適用されると考えている人が多いようです。

また、利益を報告する必要があることに気づいていない人や、自分の取引は当局にばれないから報告する必要はないと考えている人もいるかもしれません(よくないことですが)。しかし現実には、日本における仮想通貨やその他のデジタル資産への課税方法は大きな問題であり、これを知らないと多くの人が痛い目に合う可能性があります。

日本におけるビットコインやその他の仮想通貨の課税方法

残念ながら、日本では仮想通貨は最悪の方法で――つまり、雑所得として課税されます。これが投資家にとって意味するところは、利益に対して最大55%の税金がかかる可能性がある、ということです。そう、あなたがあらゆるリスクを負って暗号資産に投資したにもかかわらず、その利益のほとんどは日本政府が手にすることになるのです。

長期保有者にとっての朗報は、資産を売却しない限り、仮想通貨自体の価値の上昇にかかわらず、税金がかからないことです。

しかし、仮想通貨を売って不換紙幣に換えたり、他の仮想通貨と交換したり、ビットコインを商品やサービスに使ったりするとすぐに、あなたが得た利益はその年の所得に可算されます。日本の所得金額階級別の所得税率は次の通りです(なお、表には一律10%の住民税は含まれていません)。

仮想通貨を保有するだけでなく、継続的かつ活発に取引している場合、すべての取引額を記録していないと、悪夢のような確定申告手続きが待っているであろうことは想像に難くありません。

日本の所得金額階級(JPY)日本の所得税率
195万未満5%
195~330万10%
330~695万20%
695~900万23%
900~1,800万33%
1,800~4,000万40%
4,000万以上45%

仮想通貨問題の事例1:

例えば、あなたが日本で正社員として働き、1,500万円の収入を得ているとします。この場合、所得の上位部分(900~1,500万円分)には33%(+住民税10%、合計43%)が課税されます。

あなたは、数年前に購入したビットコインを所有しており、大きな利益を得ています。そこで今、ビットコインの一部を売却し、利益を確定したいと考えています。100万円で購入し、現在700万円になっている2枚のビットコインを売却することにしました。これにより、1,200万円の課税対象利益が発生します。

すると、最初の300万円の利益には43%の税金がかかり、次の300万円には50%の税金がかかります(かなりの痛手ですね)。そう、日本では利益の半分近くが税金で持っていかれるのです。

事例2:

中には「それほど高い給料をもらっているわけではないので、たいした問題ではない」と思う人もいるかもしれません。
例えば、収入が年間300万円で、売却したいビットコインが2枚あるとします。しかし、やはり100万円で買ったものを700万円で売るわけですから、売却時の課税所得は600万円です。

そして、最初の400万円に対して20%(+住民税10%、合計30%)、残りの200万円に対して23%(+住民税10%、合計33%)の税金を支払うことになります。

利益の約3分の1を税金として支払うことは、確かに55%よりはましですが、それでもキャピタルゲイン課税として扱われた場合の税率20%に比べると、その差は歴然です。 私たちの見解では、ほとんどの投資家は20%の税金を支払うことに納得しており、日本の他の資産(不動産や株式など)への課税と同様に、公平だと考えています。しかし、最大55%の課税は過剰で不公平に感じます。

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もう一つの問題点:損失は所得から差し引くことができない

暗号資産の利益に対して重い所得税を課されるというだけでもひどい話ですが、さらに悪いことに、仮想通貨の損失は、不動産の場合とは異なり、所得や他の資産から差し引くことができません。

悪夢のような相続税が課される可能性

もう一つ、投資家の大切な家族に影響を与えかねないのが、日本の相続税という問題です。日本が世界で最も高い相続税を課している国の一つであることは、周知の事実です。しかし、暗号資産の保有者が亡くなったとき、その家族や大切な人が相続する暗号資産は、死亡時の価格で評価されることは、あまり知られていません。

ビットコインをはじめとする暗号資産は一般に、まだ新しい資産クラスであるため、非常に不安定です。つまり、遺産の受取人は多額の暗号資産を“受け取り”、それに応じて課税されるものの、彼らが実際に資産を手にする頃には、価値が大幅に下落しているという事態もあり得るということです。

ちなみに、日本では相続税も55%です。驚くほど高い税率ですよね。

Japans Crypto Problem - How is Bitcoin taxed

仮想通貨問題への対策

ダメージを最小限に抑えるためにいくつかの対策を講じることができますが、一般的に、自分で仮想通貨を購入している場合、支払うべき税金が発生します。簡単にできる対策としては、以下のようなものがあります。

  • 仮想通貨の売上は複数の課税年度に分割しましょう。上記の例のように一度に2枚のビットコインを売却するのではなく、1枚を今年の課税年度中に、もう1枚を翌年の課税年度中に売却します。
  • 仮に、あなたより収入の少ない、あるいは全く収入のない配偶者がいたとします。その場合、あなたの代わりに配偶者に仮想通貨を購入・保有してもらうこともできます(ただし、この場合、贈与税の制限や仮想通貨が法律上配偶者の名義となることなど、別の問題が発生します)。
  • 巨額の利益を得たい場合は国外へ出ましょう。極端な例ですが、特に金額が大きい場合、そういう手段を取る人もいます。
  • 仮想通貨から得る利益を年間20万円未満に抑えていれば、所得税はかかりません。

仮想通貨をよりスマートに保有する方法

ビットコインやその他の仮想通貨をポートフォリオに加えることを検討している場合、購入前にどのように保有するか、仕組みを考えておくことが最善の策となるかもしれません。

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